たむ

ラ・ポワント・クールトのたむのレビュー・感想・評価

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)
4.2
26歳、アニエス・ヴァルダ監督の自主制作による長編デビュー作品です。
ヌーヴェルヴァーグ誕生前に誰よりもヌーヴェルヴァーグな映画を撮っていただけではなく、ベルイマン監督にも影響を与えたという驚異的な映画です。
貧しい村とそこの出身で妻と共にバカンスに来た夫婦の二つの出来事を描きます。
貧しい村はネオリアリズモアのような描写と多くのドラマが淡々と描かれているドキュメンタリータッチです。
夫婦の物語は4年目の危機を会話劇で描きベルイマン監督が引用し、『ビフォア・ミッドナイト』にもよく似ている感触があります。
一見関係のない二つのドラマが貧しい田舎と都会の葛藤になったり、祭りによって結びつく不思議な世界観があります。
時々干渉し合うように、画面の中でお互いに影響を与えている事も多々あります。
二つのドラマを交錯させる構成、複数の物語を画面の中で同時進行させ影響を与えるなど、映画の可能性にも挑戦しています。
編集には後の巨匠アラン・レネ監督が関わっています。
たむ

たむ