まつこ

悪の偶像のまつこのレビュー・感想・評価

悪の偶像(2017年製作の映画)
3.6
轢き逃げ事件がさらなる悪を呼び込む韓国ノワール。正義を振りかざしていた人が守るものを間違えて、どんどん血塗られた道を進んでいく。反吐が出る悪意の連続の中、轢き逃げ犯の親を支持すると言ったお父さんの言葉が刺さりボロボロに泣きました。何か違えばこうならなかったのかなぁと思っても、たぶんバカ息子はその内何か仕出かすだろうし、あの加害者のお父さんはまた保身に走るだろうし、彼女の闇も深ければ、行く行くは違う形で破綻していたのかもなぁとも考えてしまいます。でも…あのお父さんがあんなに悲しむことはなかったのかなぁ…息子さんが束の間の幸せに浸ることはできたのかなぁ…そう思うと切ないですね…

途中、イ・スンシン像を巻き込んだ事件が起こるのですが、不勉強な私としては彼(英雄らしい…)が韓国内でどの立ち位置なのかがわらないので、正確にその意図を感じることができなかったのは残念でした。タイトルの意味にもリンクしているんだろうなぁ。

最後まで緊迫感が続くのは演技力の賜物ですね。お見事でございました!(韓国映画ではマイルドな表現な方みたいですが、苦手な私には十二分にゴアゴアでしたよ。)
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