柏エシディシ

37セカンズの柏エシディシのレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
4.0
障害者を描いた映画だけれど、観た後には私のあなたの、それぞれの"37セカンズ"を思うはず。
それは翻って、障害を"特別"なものとして一線を引こうとする私達の無意識(無関心)をよりユニバーサルなものに確実に変えていく事にもなる。
有り体の「お涙頂戴」な物語ではなく、こんなにもリアルに、それでいてマジカルに活き活きとした映画、観たことない。

主人公ユマを文字通り体当たりで演じた佳山明さんをはじめ端役(道すがらのドラァグクイーンやポン引き)に至るまでキャスト陣の素晴らしい演技。
私のよく知っている東京の街の、よく知っている表情と知らなかった表情を捉えた美しい撮影。
ユマの心に寄り添う様に、時に共に踊り出す様なAska MatsumiyaとCHAIの音楽の躍動。
エンドロールの上がってくる名前の国際色豊かなこと!
HIKARI監督。日本映画の枠を超えて、素敵な才能がまた現れた。

渡辺真起子さんや板谷由夏さんみたいな大人でありたい。なれてるかな……ならなきゃな…
やっと映画館で観れた。Netflixでも観れるけれど……劇場で観たかったのよ。年内にギリギリ間に合って良かった。
柏エシディシ

柏エシディシ