このレビューはネタバレを含みます
本当に本当に素晴らしい作品でした!
Filmarksでの評価が高かったので気になり、わざわざイオンシネマ多摩センターまで遠征した甲斐がありました。
ここ2ヶ月で30作は映画館で観てますが、こんなに周囲から涙をすする音が聞こえた作品はありません。エンドロール終了まで誰ひとりとして席を立たなかった作品ははじめてかも。
以下は映画を見た後にワイワイ語りたいポイントです。
1、冒頭のヌードには度肝を抜かれた。
このヌードで傑作の予感がしたけど的中しましたね。
ユマを演じている女優さんが本物の障害者だとわかったので『え?いいの?』と戸惑いみたいなのもあったけど、この観客が抱いた戸惑いみたいな心理もその後のストーリーで効いてくる。
あと、ヌードになる必然性があるのに不自然なカメラアングルを連発して興ざめさせた『ロマンスドール』に主演した蒼井優さん、ぜひこの映画を観てほしい。
2、ユマを演じた佳山明さんを筆頭に俳優陣が素晴らしかった。
佳山さん自身がユマと同じ脳性麻痺らしく、演技に説得力があった。
たとえばユマを売り出し中の人気アイドルが演じていたら駄作になってたはず
3、ユマと母のケンカシーン、とても痛かった
大切なひとに、絶対に言ってはいけない言葉を手加減なく投げつけあうシーン。大なり小なり、誰もが経験したことあるんじゃないかな。いやー、胸を締めつけられるシーンだった。
4、水商売の運転手兼介護士トシ(大東くん)、ただただ良い奴なのね
いや、良い奴でよかったし安心したんだけど、彼は彼でそんな仕事をしている理由・ストーリーがあるはずで、そこをチラッとでも伝えてくれたらよかったかも
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追記:訂正と反省。
これ書いたあとに、自分が障害者向けの風俗について見下すような評価をしていたことに気づきました。
尊い仕事です。「そんな仕事」じゃない。失礼しました。僕の中で差別的な認識があったことを反省しています。
5、この映画最大のツッコミどころ、パスポートどうしたん?
そもそもパスポートを持っているとは思えないし、持っていたとしても家出時に持参するはずないし、パスポートを新規発行するのに1週間はかかりますよ
6、最後、双子の妹ユカが『障害者だと聞いてたから怖くて会えなかった』に共感できなかった
障害者だから会わない、怖いとかってあるの?ぼくには1ミリもないんだけど。え、普通は怖がるものなの?って思った。
海外で働くくらい勇気がある子なのに、そこまで怖いものかな。でも母親とも会っていないらしいので、もろもろ怖さはあるのかな。
7、ユマの母と父はなぜ離婚したのだろう?
いや作中で説明する必要はないけど想像しちゃう。
父親は自由と平和を愛するひとで、障害をもったユマにも愛情があったんだよね。双子の妹ユカも父親を好きっぽい。つまり父親は良い人っぽい。
妹ユカは『お母さんにとって1番大切なのがユマちゃんだったからじゃないかな?』と。
ここで、母がユカに会っていないことを思い出す。さらに混乱。母は妹ユカに会っていないし、父親からユマに送られた絵葉書を隠していたわけだ。
母と父の離婚にはかなりの原因があるはず。
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追記。YouTubeにHIKARI監督のインタビューがあった。
『人間は良い人と悪い人に分類できるものではない。誰しも良い側面も悪い側面もあるものだし、自分がオープンマインドを持ってれば周りには良い人ばかりに写るのでは。』
というような話をしていました。なるほど。
8、風俗勤務のマイさん、タイに来てましたよね?
ユマと大東くんの様子を遠くから見守ってるシーンあった気がするのだけど見間違い?
なんで遠くから見てるの?ちょっと意味不明。仲良いんだから一緒に行けばいいじゃんって思った。
2人がいい感じだし、付き合わせたいとか?邪魔しないためとか?
9、イオンシネマ多摩センターが登場してビビった
この作品を観るためにはじめてイオンシネマ多摩センターに行ったけど、ユマがイケメン男に映画の約束をすっぽかされたシーン、イオンシネマ多摩センターだった。
特徴的な内装だからすぐ気づいた。映画終わりにスタッフさんに聞いたら「間違いなくここです!」と。
なんかラッキー!
10、身体障害の当事者やその家族のかたの感想をポツポツ見かけるけど、どれもポジティブな感想で安心した!
まぁぼくの父も脳梗塞やって身体障害と知的障害があり、いまは障害者施設に通ってるんですけどね。
素晴らしい映画だった!