しょうや

アジア三面鏡2018:JOURNEYのしょうやのネタバレレビュー・内容・結末

アジア三面鏡2018:JOURNEY(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

東京国際映画祭2018にて
3人の監督が作り出すそれぞれの「旅」

海: 生前の父が恋しかった母と恋人と上手くいってない娘、悩みを抱える不仲な親子の車旅 in 中国。
母ともろくに会話もせず、死んだ父親の遺灰はトイレに捨ててしまえなど年中反抗期のタバコ吸い娘、そんな彼女だって親のことが大好きなんだよね。子は正直。親も分かってる。親子で旅するから分かる、会話するから分かる、一緒に生きているから分かる、家族だから分かる愛。これらを再認識させてくれる素敵な旅だった。

碧朱: 日本を離れ海外で仕事する男、故郷、恋人とかけ離れた異国の地での旅 in ミャンマー。ミャンマーの鉄道の速度が速くなれば現地の生活環境の回転が速くなる。これは日本人だからこそ思う思考。日本での時間の進み方は速い、そう感じる日本人は多いだろう。1度異国の地へ行ってみるといい。時間の進み方、生活環境、全てがゆっくりと進んでいく。自分も留学を経験して十分に感じた。人生も速く早く終わってしまったらつまらないじゃん。ミャンマー鉄道のように、焦らずゆっくり進んでいこうじゃないか。異国の地だからこそ感じられる生き方について深く考えさせられた。

第三の変数: 倦怠期のカップルが1人の男に翻弄されていく不気味な旅 in 東京。倦怠期カップルは元恋人に似た男と3Pすれば克服できるらしいです。この題材をなぜ東京で撮ったか謎。民泊先の男が日本人という設定も無理ある(このジャカルタ出身の俳優さんを3編全てで使わなきゃいけなかったにしろ違和感しかない)。これは彼が導いてくれた旅なんだ って言われましてもねぇ。この短編だけはちょっと理解できなかった。最後に謎の北村一輝登場も頭の中が「?」。
1つ目の海と2つ目の碧朱は色々と感じるものがあって良かった。最後だけちょっと拍子抜けって感じ。内容がね、違うんだよなぁ。旅って感じがしなかった。

上映前の監督キャストの舞台挨拶では生の長谷川博己が見られてとても満足。上映後の監督のトークショーでも貴重なお話を聞くことができた。映画祭にはぴったりの題材だろう。総じて星3つ半
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