コードギアス 復活のルルーシュのひろくんのネタバレレビュー・内容・結末

妹のために世界を壊すなどと標榜して、大切なもの、その妹の気持ちすらもことごとく損ない、壊し、ダメにしてきた、傍目には本物のバカ（頭の良し悪しではない、自分の本心にどこまで誠実であれるかという意味でだ）だった男が「傷痕こそが自分を形作る。自分についている傷痕こそが人生である」という一つの真理に到達している。ちょうど思春期にこのアニメのテレビシリーズを見て、改めて大人になってからこの劇場版を観る観客にまさに刺さるようなことをよく言わせたなと思う。この言葉にどこか救われる、はっとさせられる、そんな人は多いはずだ。私もそうだ。
テレビシリーズの一遍のようなギアスのトリックを披露したのはちょっと笑ってしまった。コーネリアに敵対する敵将の描き方やエンディングでの一枚絵など、ぽっと出のサブキャラの魅力の引き出し方がとても上手い（映画だけで何人新キャラがいたかわからないが全員はっきり特徴を覚えさせられる）。
やはり何よりも、ルルーシュのしてきたことを知っている観客は、彼自身の発する「傷痕こそが人生を形作る」という言葉にやはり救われていると思うし、彼自身が救済されない世界の再生なら何の意味もないだろう。そしてだからこそ観客自身にとっても劇中のキャラクターたち全員にとってもそれは意味のある言葉になるのだ。良かった。