小さく狭い美しい町で本屋を開こうとしている未亡人に、それを邪魔する嫌な出来事が色々起こる。
やっぱり本っていいよねと思わせてくれるし、表紙の紙質や印刷の匂いも感じるような、優しい質感が詰まっている映画。ポットカバーかわいい。コートかわいい。建築かわいい。でもそれだけじゃない。
ウディアレンの「マッチ・ポイント」以来のエミリー・モーティマー。子どものような笑顔で、未亡人の役?と思ったけど、かわいらしさの中に寂しさや哀しさを抱えた眼差しがとてもよかった。ビル・ナイとの海辺でのシーン、静かで美しく、そして切ない心の交わし方にぐっときた。
ラストは、伏線がこれでもかという感じだったのでびっくりはしなかったけど、最後の最後を長々と描かなかったこともとても好き。きれいな映画だったなー。
町で反対されながらもチョコレート屋さんを開く「ショコラ」を思い出した。