ちろる

ブルー・マインドのちろるのレビュー・感想・評価

ブルー・マインド(2017年製作の映画)
3.6
ファンタジーとホラーの中間。
親の都合により新しい街へと引っ越しをすることになったミアは親の束縛と自由への欲望で、家が煩わしい。
親への言い知れぬ苛立ちと学校のカーストへのコンプレックが、ミアを急速に変化させ、新しい刺激が良くも悪くもステップを踏む。
誰にでもあるある思春期の成長、ただそれだけだったはずなのに。
ミアの誰にもいえない、欲望が私の想像だにしない方向へ行く。
そっか、こっち系の話なのか・・・
おぞましい形で起こるミアの成長に、本人もなすすべもなく、どうしようもなく性への興味も加速してしまうことが絶望へと繋がる。

スウェーデン映画「テルマ」やベルギーの「RAW」のような、少女の目覚めを描いているが、ある意味「シェイプオブウォーター」や「ゆれる人魚」の側面もある。

少女の成長物語を見せながら、結果的には友情物語の側面が強くなり、家族とのつながりの希薄さは曖昧なままな気がして少し虚しい。
でも、自分だって過去に身体の急激な変化を家族に告白できただろうか?
そう考えると、彼女があのような行動を取ったのはある意味必然。
寂しさと、孤独のつきまとうストーリーだけど、ミアに親友がいた事だけが唯一の救いだったと思いたい。
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