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エリザベス∞エクスペリメントのLuckyMOTOMIYAのレビュー・感想・評価

3.5
2018年、セバスチャン・グティエレス監督・脚本によるSFスリラー。

若い新妻を自宅、大豪邸に連れ帰る天才生物学者ヘンリー(キアラン・ハインズさん)。使用人とおぼしきクレア(カーラ・グギノさん)とオリバー(マシュー・ビアードさん)のお出迎え。若く美しい妻の名前はエリザベス(アビー・リーさん)。

至れり尽くせりの生活環境、一つだけ気がかりなのは夫ヘンリーから「絶対に入ったらあかん」と釘を刺された禁断の間。まあ、そんな約束は守れないもの。皆さんが外出したときに、つい魔が差して入ってしまったエリザベスさん、彼女がそこで見たものは……云々。

宣伝用ポスターには無数のエリザベスが描かれ、「欲望を満たす完璧なクローンのはずだった」という謳い文句、邦題『エリザベス∞エクスペリメント』には無限を表す「∞」の記号。これは、看板に偽りありでございます。本作の主題に「∞」は微塵も絡んでいないと思うのですが。

本作は「クローン」と呼ばれる存在の、通常は深く配慮されることのない人格、あるいは個性を描いた物語だと思われます。

唯一の原本から作り出された複製、といった関係で捉えられがちな「クローン」ですが、一人ひとり、尊重すべき独立した人格を備えているわけであります。終盤は特に興味深い展開でございました。

ご主演はオーストラリアご出身のアビー・リーさん、2015年『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にも出演しておられました。

モデルさんとしてご活躍されているお方ですので、とにかく絵になる、様になる、格好いい女性でございます。
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