けい

楽園のけいのレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
3.6
素晴らしい作品。
ただ、2度は見たくない。
それほど見る人の心を締め付ける。

陰鬱で閉鎖的な限界集落、
心を濡らすような雨、
不安を煽るピアノBGM。
全てが暗い気持ちへ誘うが、皮肉にも田園風景、山々、雪景色といった雄大な自然だけが美しく描かれる。

やり場のない怒り、悲しみは
「誰かを罪人にしなければ片付けられない」状況に追い込む。
多くの人にとって生きやすい世界は誰かの犠牲で成り立っているかもしれない。
そんな生きづらい世界を演じる佐藤浩市さんや綾野剛さん、杉咲花さんの叫びとも言える演技が苦しく突き刺さる。

「本当に一番恐ろしいのは人間」だなんてなありふれたワードでは片付けられない作品。
けい

けい