楽園、そんなものは本当にあるのか、というお話。
閉鎖的な田舎のコミュニティの怖さ。
自分が受け入れられないものへの迫害。
同調圧力。
抑えきれない衝動。
残された人間の抱えなければならないもの。
今の日本の息苦しさみたいなものを、大袈裟なものの、すごい的確に表現していたんじゃなかろうか。
今の時代にぴったりな映画ではあるものの、こんなどんよりしたもの好んで観る人はあんまいないんじゃないかな笑
表面的に見ると日本って良い国だよね、平和だよね、とか言われがちだけど、闇は根深い。
まともな感性を持った人間が潰されていく社会。
杉咲花は狂いかけた田舎のコミュニティの中にいる唯一と言っても過言ではないまともな人間であり、まともであるが故に生きづらさを抱えている唯一の人間のような感じだった。
「なぜあの時自分だけ生き残ってしまったのか」そんなある種罪の意識を抱えながら生きるのはしんどすぎる。
綾野剛も佐藤浩一もまともに生きようとしてるのになぜかそう出来ない、そうさせてもらえない、そんなしんどい世界で生きている感じがひしひしと伝わってきた。
話がちぐはぐで、鑑賞中所々集中力は欠けてしまったものの、鑑賞後に来る、どんよりとした重さ、どうしようもなさ、陰鬱さ、は嫌いになれない。