バナナ

未知との遭遇 ファイナル・カット版のバナナのレビュー・感想・評価

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見ていてなぜかすごくフラストレーションが溜まったので、理由を少し考えた。

A:超常現象に対する「期待」や「不安」
B:家庭が崩壊していく様を見せられる「不快感」

の二つの軸を織り交ぜて観客を煽ってクライマックスに持っていく作りに見えたが、話を盛り上げるのにBを援用するのはSF映画としてどうなのか。その不快感はSFとは筋違いの別物なのにここで使ってくるのはズルくないか?と思いながら見ていた。
また、宇宙人との邂逅がついに果たされたことで、AについてはSF的な期待は実現され、不安も解消されるが、Bについてはそのようなカタルシスが用意されておらず、宇宙人との対面が家庭崩壊を解決するはずもなく、不快感は回収されないまま観客の胸中に置き去りのまま、なんかUFOがビカビカ光って終わり。

特撮を駆使した映像は素晴らしいし、本作とスターウォーズが後のSF映画の視覚イメージを決定づけたらしいという意味では偉大な作品だが、いかんせん話が微妙で観賞中ずっと釈然としなかったし、鑑賞後もモヤモヤが残った。
技術的に重要な記念碑映画であって、面白いかどうかはまた別のはなしということかな。

あと、例の5音のフレーズのキーが場面によって違ったような気が。