mura

ぼけますから、よろしくお願いします。のmuraのレビュー・感想・評価

4.0
見ようかどうか本当に迷った。結局見て、今も微妙に引きずっている。壮絶な映像。

アルツハイマー型認知症になった母を追ったドキュメンタリー。娘が長い時間をかけてカメラをまわす。症状は段々とひどくなり、95歳の父がかわりに家事を担うようになる。「男子厨房に入らず」だった父が。さらに介護サービスも受けるようになるが…

老々介護の問題が赤裸々に映しだされる。こんな状況になるんだと。

介護サービスは本当にありがたいシステムなんだけど、当事者にとってはそれも苦悩の要因となる。迷惑をかけてばかりとの思いに拍車をかける。

そして体が動かなくなる。そうするとますます迷惑をかけているという思いが強くなって。

結果、あれほど快活だった母が別人のようになっていって…

大学に行きたかったとの自らの思いを娘に託す父は、大学を出て東京で働く娘が実家にもどることを望まない。また母は、乳ガンとなった娘の闘病に付き添い、明るく慰めた。娘はそのときのありがたさを忘れず、変わっていく母を優しく見守る。

そう、家族の物語が映されていた。

母の「年をとったら迷惑かけるね。どうしたらいいんかね」って言葉は…胸に突き刺さる。ホント、どうしたらいいんだろう。
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