見ようかどうか本当に迷った。結局見て、今も微妙に引きずっている。壮絶な映像。
アルツハイマー型認知症になった母を追ったドキュメンタリー。娘が長い時間をかけてカメラをまわす。症状は段々とひどくなり、95歳の父がかわりに家事を担うようになる。「男子厨房に入らず」だった父が。さらに介護サービスも受けるようになるが…
老々介護の問題が赤裸々に映しだされる。こんな状況になるんだと。
介護サービスは本当にありがたいシステムなんだけど、当事者にとってはそれも苦悩の要因となる。迷惑をかけてばかりとの思いに拍車をかける。
そして体が動かなくなる。そうするとますます迷惑をかけているという思いが強くなって。
結果、あれほど快活だった母が別人のようになっていって…
大学に行きたかったとの自らの思いを娘に託す父は、大学を出て東京で働く娘が実家にもどることを望まない。また母は、乳ガンとなった娘の闘病に付き添い、明るく慰めた。娘はそのときのありがたさを忘れず、変わっていく母を優しく見守る。
そう、家族の物語が映されていた。
母の「年をとったら迷惑かけるね。どうしたらいいんかね」って言葉は…胸に突き刺さる。ホント、どうしたらいいんだろう。