花

Girl/ガールの花のレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
3.5
2019.8.21

セクシャルマイノリティに対する日本の状況と海外の状況が全く違うなという見方で入ってしまった 日本だったらたぶんこの映画は肉親や社会に対してのカミングアウトの段階を細かく描くのだろうと思う だからなぜここまで自分を追い詰めてしまうのか理解ができなかったが、他の人の感想を読んでここまで恵まれた環境の中でも生じる葛藤を表現しているというのでかなり納得ができたしそう解釈するといろいろと合致がいく感じ

主人公がバレエを最近はじめたような描写が多かったのも、身体的な表現や女性性がかなり強調されるダンスに強烈に惹かれるようになったのは自分のセクシュアリティを意識するのと同時くらいに始まったことなのかな?と思った バレエ=女性性のシンボル、だからこのダンスを踊れる自分は完全な女性性を手に入る神話
トゥーシューズからにじむ血、ダンスの練習中の焦燥感のある撮り方(特にダンス公演に向けた練習の様子がすごかった)日常の中の場面の切り取り方と、最終的な結末や自分を自分が思う女性という枠にめりめり押し込めていく中での苦しさがリンクしていたように思う 変化する中での苦しみとか、あたらしいかたちになるためにその中に自分をはめていくときの肉の削がれる感じ
バレエという舞台設定がものすごく活きていて、練習風景の中での背の高さや肩の周りの筋肉とか、そういうところがとても目につくし、それをララちゃんは鏡ごしに一番しっかりみていたのじゃないかなあと思う

オチがよくわかんない
ときどき主人公の年齢を忘れそうになるのだけど、同級生の無邪気をはさまれて、はっ、と思い出すという映画 同級生の女の子たちのお泊まり会の事件も、年齢を考えたら一番あれが実感に近いんじゃないかと思う
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