つらい、苦しい、悲しい。どれだけ恵まれた環境や人間関係がそばにあっても、その人の苦しみはその人だけのものだ。
言っても理解してもらえない、解決方法はない、一生この苦しみに囚われつづけるかもしれない…死やそれに近い方法でしか癒せない苦しみがある。
足の痛みや練習のつらさだけでなく、多くのことに耐えながら踊るバレエの練習のシーンは息が詰まるくらい苦しかった。
あなたは女の子よなんていくら言われても、この体、この気持ちのことは分からない。そう言ってくれる人、支えてくれる人の優しさを分かっているからこそつらくなってしまう。
女の子に見えたいんじゃない。ただ女の子でありたいんだ。
大切な人が苦しんでいるとき、なにかしてあげたいのにその人の求めることはしてあげられないもどかしさ。解決に時間がかかることへのいらだちや不安は分かるけど完全には理解してあげられない。
どうか自分を傷つけないでくれ、死を選ばないでくれと願うしかない。
LGBTのなかでもトランスジェンダーに関する子どもたちに向けた作品はまだ少ないらしい。
物語に救われることは大いにあるので、こういう気持ちに寄り添う作品が増えていけばいいな。
ララと、その家族が幸せであることを願ってやまない。