このセリフに脱帽

グリーンブックのこのセリフに脱帽のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8
運転手のトニーがNYに残した妻に手紙を書いていた。そこへ雇い主のドンが近づいて言った。そいつはいったい何だ!?手紙を書いている。切り張りの脅迫状か?そう皮肉ってドンは書きかけの手紙を取った。”Deerドロレス“ Deerは鹿だ。Dearだろ!?” 毎日土地のお偉いさんに会ってる。難しい言葉を使う連中だ。お前をクソ恋しい...。” 何が言いたい、トニー? 汚い言葉を使わずに誰にも書けない手紙を書くんだ。そういうとドンはトニーに美しい言葉でしゃべりだした。”愛するドロレス。君を思うと途中通ってきたアイオワの美しいプレーン(草原)が目に浮かぶ。”書きながらトニーが聞き返した。飛行機(プレイン)か?草原だよ。途中で見てきただろう?そう言いながらドンは続けた。”僕らを割く距離が気を滅入らせる。君のいない時間と経験は意味がない。君との恋は前世からの運命なのだ。ドロレス愛してる” それを書きながらトニーは言った。すげえロマンチックだな。この逸話はトニーとドンが無事にNYに戻ったクリスマスの日、ドロレスがドンにキスをしながら言った言葉で締めくくられた。”ドン、あの手紙ありがとう。”ドンは一瞬驚いたような表情をしたがすぐに笑顔に戻って言った。”メリークリスマス”。 この映画は実話に基づいているとのことだが、かなり前からハリウッドはレイシズムを排除する傾向にあった。”受け入れる”ことが正しいアメリカ人のマナーであることを主張していた。私がアメリカ企業にいた80年代にテキサスの田舎町ペンサコーラに行ったとき、酔った客が絡んで慌てて同僚のアメリカ人が助けてくれたことを思い出した。ドンが正装して入っていくと、多くの客が目を見開いて彼を凝視するシーンは、日本人がスーツ姿で入っていくのと同じ感覚に思えた。この映画は多くの批判もあったがアカデミー賞を勝ち取っただけの出来栄えである。ただし現実は理想とは程遠い。