“寂しい時は先手を打たないと。”
劇中にトニーが何気なく言うこの言葉が、改めて胸にじわっと温かさを残すラストシーン。素晴らしいの一言に尽きる作品。
人種差別という人間が犯した間違いだらけの時代を走り抜けていく二人の旅路。
どうかどうか最後まで無事に辿り着けますようにと祈るような気持ちで見守っていました。
二人の友情が変化していく様子が、本当に自然体で、起爆剤になるような強烈な事件があるでもなく、ドクの演奏でトニーが感じた感動、それによって自然と築かれる相手への尊敬が全くわざとらしくなく、ある意味映画的でもなく、リアルでした。
トニーを見ていて高校時代の名物先生に何百回も言われた言葉が頭を駆け巡りました。「人間バカでもいいんだ、とにかく素直であれ。素直なやつが一番なんだ。」トニーを見ていたら、その言葉の意味を心で理解できた気がします笑
素直な人間には誰も勝てませんね。
この作品を通してドクとトニーに出会えて本当によかったです。