わしかずまの中の人

グリーンブックのわしかずまの中の人のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0

【あらすじ】
まだアメリカで黒人差別が根強く残っていた1962年。
黒人の天才ピアニスト、ドクター・シャーリーは、特に差別の激しい南部へコンサートツアーを決行する。
そこでシャーリーは、白人のトニー・ヴァレロンガを用心棒兼運転手として雇う。
そして2人は、人種を超えた友情を築くことになる。

【事前情報】
今作の題名になっているグリーンブックとは、1950〜60年代にアメリカ南部を旅行する黒人のために製作された施設利用ガイドブックの事。

また、黒人のシャーリーと白人のヴァレロンガは実在の人物。
シャリーやヴァレロンガへのインタビュー、ヴァレロンガの妻宛ての手紙をもとに、ヴァレロンガの息子、ニック・ヴァレロンガが脚本を書いている。



👇以下、ネタバレ含みます👇
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【所感】
アカデミー賞作品賞を受賞した本作だが、白人が黒人を救うという、典型的な表現が描かれており、賛否両論巻き起こっている。
そういう意味では、日本人という第三者的な視点(と考えるのはちょっと平和ボケしてる?)で本作を鑑賞できるのはラッキーかも👌

小難しい事考えずにコメディチックな描写を楽しめるのはポイント高め。
とにかくヴァレロンガが食いしん坊で、これがアラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンなのか?と疑ってしまうほど。
タバコもいっぱい吸うし、挙句カレー食いながらタバコ吸って「しょっぱい」ってw
絶対味分かってないでしょ🤣

中でも、ケンタッキー州でケンタッキー食うシーンは完全にコント。
シャーリーはケンタッキー食べた事無いらしく、箸とフォークが無いから食べられないってw
いや、窓から骨投げるなw

ちょくちょく、洒落てる(と言っていい?)描写も。
冷戦終結という事で、ウォッカ(ロシアの代表的なお酒)をチョイスしてみたり。
と思ったら、全然冷戦終結じゃなかったけども😇
シャーリーが毎日一本飲むウィスキーが、カティサーク(スコッチ)だったのは、何か意味があるのだろうか?

黒人の作業員が飲んだコップをゴミ箱に捨てるぐらい、黒人に対して差別意識があったヴァレロンガ。
そんなヴァレロンガが、黒人のシャーリーの相棒になるとは、なんとも数奇な巡り合わせ。
ヴァレロンガとシャーリーが初対面する場面で、黒人のシャーリーが白人のヴァレロンガを見下ろしている構図が印象的だった。
あれは、よくよく考えてみると、見下ろしているんじゃなくて、シャーリーの孤独を表しているのではと思ってみたり🤔
てか、手紙を代筆してたの、やっぱりバレてたんだね😅

【まとめ】
全体的には、黒人と白人のロードムービーに、キャッチーな描写が多く、観やすい作品という印象。
純粋に"ドクター・シャーリー"という人物にフォーカスすれば、「ステージに上がれば天才ピアニストとして賞賛を浴び、街に出れば黒人として差別される、孤高の存在」とでも言うべきか。
正統派のドキュメンタリーだったら、シャーリーの人間性を深掘って描写するのだろうけど、本作では観やすさを重視。

だからこそ、オスカーを争ったブラック・クランズマンと比べられ、批判されるのだろう。
てか、まだブラック・クランズマン観れてないんだよね。
プライム見放題に登場するの、まだかなぁ🥺