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グリーンブックのkeitoesのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
めちゃくちゃ良いじゃん、めっちゃくちゃ!
観終わったあとの、この感覚。
三日間くらい続く心地良いやつ。

すごく豪華で、だけどささやかで、2時間たっぷり楽しむことができた。

1962年が舞台で、バディもので、白人と黒人で、ロードムービーの要素もあって、音楽も素晴らしくて。

時代柄、差別が大きなテーマとなっている。

黒人の有名ピアニストと、訳あってツアー期間限定で彼の付き人運転手になった白人の主人公のお話。

保守的な家庭で育った主人公は、黒人の付き人になることに抵抗を感じているけれど、ツアーで旅を共にするうちに、彼が多くの差別を受けていることを知り、心変わりしていく。というのがザックリしたストーリー。

もう、この主人公のキャラクターが本当に素晴らしい!
最初は、ただのレイシストかと思ったけれど、実際は只のバカ。
そう書くと語弊があるかもしれないけれど、本当にアホなのだ。喧嘩っ早いし、適当だし。
でも、それが本当は愛すべきバカなんだと段々分かってきて、途中からは愛しくてたまらなくなる。

黒人ピアニストの方も、主人公とは真逆の細かい性格で、良く言えば丁寧、悪く言えば融通が利かない。

そんなバラバラの2人だからこそ、もどかしい関係から始まり、旅を通して徐々に絆が生まれる様を目にすることができた。

この描き方がとてもとても丁寧で、観ている自分まで、この2人と絆が深まっている気までしてくる。

ちなみに、このアホな主人公を演じるのがヴィゴ・モーテンセンなのもポイントが高い!
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」や「イースタン・プロミス」の迫真の演技からは想像もできないコミカルな役柄。

もう1人の主役、マハーシャラ・アリは「ムーンライト」で麻薬の売人フアンを演じていた人。

こちらも素晴らしかった。

この2人のコンビは映画史に残るレベルの素晴らしさで、多くの気持ちを与えてくれた。

クリスマス前の話で、クライマックスはイヴなのだけれど、まさしく贈り物を貰ったような気持ちになれる映画だった。


「ラ・ラ・ランド」「英国王のスピーチ」と同じトロント国際映画祭の観客賞を受賞している本作品。この黄金パターンでアカデミー賞受賞なるか?

と宣伝みたいなことを書いてみる。
でも、ホントに獲ってほしい。それくらい素晴らしい作品。
また必ず映画館で観ます。


余談だけれど、ケンタッキーがめちゃくちゃ食べたくなる映画でもある。

ケンタッキーは早めにこの映画とタイアップをした方が良い!
帰りにドラムを買って帰ったことは言うまでもない!
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