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グリーンブックの4747のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.3
  1962年、NYのクラブで用心棒を務めるトニー・バレロンガ(ウィゴ・モーテンセン)は腕っ節に自信があるイタリア系アメリカ人。彼はただ力が強いだけでなく、世渡りの上手さも持っている。

  クラブが改装工事になり、職を失ったトニーは妻ドローレスと二人の子供を養うため職探しを行う。知り合いから運転手の仕事を紹介されたトニーは、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)という男の面接に行く。世界各国の豪華な装飾品で飾られた部屋で待っていると、若い黒人男性が出てくる。ドクターという名前とは裏腹に、彼は世界的なピアニストであった。そして黒人への差別主義者が多い、アメリカ南部州へのツアーを計画しており、トニーを運転手兼マネージャとして雇いたいと申し出る…。

2018年度アカデミー賞、作品賞受賞ということで鑑賞。
総論、普通に感動した。笑いあり、涙ありの良作であった。

黒人対する理不尽な偏見や扱いを取り扱った作品ではあるが、それ以上に二人の関係性の対比が目についた。

経済的な豊かさも、品もなく粗暴だが、愛する家族と友人を持つトニーと才能に恵まれ、名声もあるが家族や友人を持たないドクを描くことで、本当の幸せとは何かを考えさせられた。

物語の中盤、文章が下手だったトニーが、ドクの指導のもと上達していき、妻のことを家に例えた文章には感動させられた。寂しい時には自分から声をかけるものさ、と言ったトニーのセリフ。ドクは返事をしなかったが、ラストシーンでは自ら行動しており、2人の出会いが、互いを良い方向に導いたのだと感じた。

昨年のアカデミー賞、シェイプオブウォーターとは異なり、メッセージなどが非常にわかりやすかった。

一方で前半部分はややBGMが狙いすぎな感もあり、塩梅が難しいものだと思った。
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