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グリーンブックのOhuのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.9
本年度の第91回アカデミー賞で作品賞、脚本賞、助演男優賞など主要3部門に輝いたにも関わらず、曰く付きとなった本作。ノミネート作の「ブラック・クランズマン」が作品賞を逃し、自棄になってシャンパンをガブ飲みして、みっともない愚痴をこぼしたスパイク・リーをはじめ、受賞式でスタンディングオベーションをしなかったチャドウィック・ボーズマンや、一部の批評家から“白人救世主映画”と非難され、終いにはドンの遺族までもが史実と異なると“嘘の協奏曲”呼ばわり...などなど、一連の騒動を踏まえた上で鑑賞してきましたが、一作品として心温まる素晴らしい作品でした。主演のヴィゴ・モーテンセンと、本作で2度目の助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリの息の合った演技は文句の付け所がなく、笑って泣けて最後まで安心して観れる秀作です。「ドライビング Miss デイジー」や「最強のふたり」などがよく引き合いに出されますが、自分は何故か「ジャンクション('95)」が過ぎりました。批判のなかには過去のセクハラ問題で名が挙がったピーター・ファレリー監督へ向けたものもあるようですが(本人は既に過ちを認め、謝罪している)近年エスカレートしつつある#MeTooやTime's up運動然り、人種論争も過熱することで本当は良い作品なのに不当な扱いを受けるのは非常に残念です
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