志庵

グリーンブックの志庵のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.4
1962年NYのナイトクラブで用心棒として雇われていたが改修工事の為2ヶ月間収入源がなくなってしまったイタリア系白人のトニーは、穴埋めの期間中"ドクターの運転手"をするか誘われ面接を受ける為、指定の場所へと訪れる…。
《ドクター=医者》と勘違いしているトニーは、そこで天才黒人ピアニストのドクターと出会い、黒人ドクターのリサイタルツアーをする為、運転手としてトニーを雇う…しかしそのツアーは…差別の無いNYから何故か黒人差別が酷いアメリカ南部へ行くツアーであった…ツアーの出発前トニーに"黒人が南部へ行く際の宿泊場所など書かれたガイドブック"【グリーンブック】を渡され出発する…って実話に基づいた作品。

無教育でガサツだか腕っぷしが強く機転が効くトニー・バレロンガ(通称トニー・リップ)と教養がありインテリな孤高の天才ピアニストで正義感のある黒人のドクター・ドナルド・シャーリー。
真逆な凸凹コンビの友情物語…これは、つまらない訳御座いません。

南部に行くにつれ差別が色濃く出てきて、客人なので口では優しい口調ですが黒人であるドクターに対する失礼で大人気ない差別を平気で行なう場面などは不気味に感じてしまいました…。

しかし!その差別という名の不気味さもトニーのガサツさと機転が効いた行動でスッキリしてしまう。

差別問題という暗く重いテーマなのですが、トニーとドクターの珍道中が素敵すぎて楽しく笑ってしまう場面が多いいです。
どちらかと言うとポジティブ映画とも思える作品。

あとピアノ演奏は勿論、挿入歌全般が明るくポップでカジュアルな音楽ばかり流れるのも作品が明るく見えてくる要因の1つだと思いました。
とにかく歌と音楽が素敵すぎでしょw

とても優しく素晴らしい心に残る作品でした。
志庵

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