まっどまっくすこーじ

グリーンブックのまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.7
実話ベースだが軽妙な語り口で気負うことなく観られる秀作。


本年度アカデミー賞作品賞受賞作ということで、公開初日に観てまいりました。

がさつでチンピラみたいなイタリア系白人=トニー。

品位を重んじる有名なピアニストの黒人=シャーリー。

この二人のロードムービーですが、お話の舞台は1962年のアメリカ南部。

となれば当然、黒人差別が前面に描かれる訳ですが、本作の優れたところはそれを重たいドラマでは終始させずに、観賞後に爽やかささえ感じさせる展開にあります。

ですので、肩肘を張らずに観られるバディ・ロードムービーとして大変お勧めです。

といっても中身が軽いという訳ではありませんよ。
黒人差別だけでなく、今でも変わらない社会構造格差への言及もあったり、様々な社会的問題も描いています。

そして本作で私が感じたのは、アメリカ人のダブルスタンダードな感覚。

黒人を差別するけど、有名なアーティストだから歓迎はする。
コンサートやステージに関することには敬意を払うけど、食事や着替えやトイレは白人とは一緒に出来ない。

少し前の話で言えば、あのマイケル・ジャクソンは黒人だけど、アメリカの白人の感覚では彼は≪白人≫なんだそうです。
アメリカ人って、特に優れた人間に対しては白人も黒人もアジア人も関係なく称賛するけど、そのときに≪優れた人間は皆同じ仲間≫みたいに思うらしく、人種を忘れちゃうようなんです。
だから人種差別を無くすためには、アメリカ人の中で優れた人物の過半数を有色人種で占めてしまえば良い訳ですww😆

話がずれちゃいましたが、まあ人種差別なんて本気でお互いが歩み寄れば無くすことが出来ると思っております。

そして歩み寄るといえば、本作でもトニーとシャーリーがお互いの距離を縮めていく過程が物語のメインになっており、人種や環境が違っても人は歩み寄ることが出来る、という作り手のメッセージを感じられます。


さて、本作の魅力はトニーとシャーリーの掛け合い演技にあります😉

トニー役は「イースタン・プロミス」でのフル○ンバトルでお馴染みのヴィゴ・モーテンセン‼
本作のために14㎏も増量して、普段のダンディーさを脱ぎ捨てて、腹が出たオッサンに役作りしております🎵
演技は成熟の域に達しており、益々好きになりました😆

シャーリー役は「ムーンライト」でオスカー獲って、本作でもまたオスカー獲っちゃったマハーシャラ・アリ‼
前回レビューした「アリータ:バトル・エンジェル」ではスラム街を牛耳るボスというアクの強い役でしたが、本作では誇りと意思の強さを持ったアーティストの悲哀を演じており、流石はオスカー俳優という演技でした。

それから本作は飯テロかよっ💦と思ってしまうほど食事シーンが美味しそうで印象に残ります(゜ρ゜)
鑑賞中からお腹が空いてしまいますよww😅

特にトニーがカーネル・サンダースの回し者かっ‼っていうくらい、ケンタッキーフライドチキンを旨そうに食べてシャーリーに勧めるシーンはもうお腹がグウグウ‼笑
後でケンタッキーフライドチキンを食べたくなること必至でありますww😆


そんなこんなで飽きることもなく、あっという間に130分が過ぎてしまった本作はアカデミー賞云々を抜きにして、是非お勧めしたい作品でした🎵👍