skm818

グリーンブックのskm818のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.7
1960年代。南部ツアーを敢行する黒人ミュージシャンと運転手兼ボディガードとして雇われたイタリア系白人の男の物語。アカデミー賞受賞が物議を醸しているらしいが、たしかに黒人は自らの黒人としてのアイデンティティを白人の手を借りながら再認識し、白人のほうも黒人ミュージシャンの人柄や彼の受けている差別の現実を目の当たりにしてだんだん変わっていくという、日本人が好みそうないい話的構図やなと思う。途中ちょっと寝てたので、あの石の意味やドク&トニーの背景についてよくわかってないとこはあるんだけど、ドクは南部に行くことで、白人式の教育を受け教養を身につけ白人の前で成功しても自分が黒人でしかないことを再認識したかったのかもしれんなあ。ホテルやレストランでなされてる差別的取り扱いには目をつぶりながら「黒人ミュージシャンに喝采を送ることができる進歩的な私」に酔いたい白人客たちは、マイノリティを扱った社会派映画に殺到して褒めそやすインテリたちにも重なる。それにしても南部と北部の温度差すげえな。雪が降ってるとかもそうだけど、北部に入った途端に警官がドクのことをまったく問題視しないというね。でもじゃあ北部じゃ差別がまったくないかというと、そんなことはないんだろうなと。
skm818

skm818