わだげんた

グリーンブックのわだげんたのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.3
ファミリーサイズのピザをあんなふうに食べるの初めて観た(笑)

アカデミー賞作品賞を受賞したせいもあってか、平日に観にいったにも関わらず一番大きいスクリーンが8~9割埋まっていました。女性客が多かったですね。

それでも良席をゲット! いざ、観賞です!

一応、前知識としては用心棒として生きてきたガタイの良いイタリア人と世界で一番の天才黒人ピアニストが一緒に演奏ツアーに出るとロードムービーということは頭に入っております。

あと、アカデミー賞の会場でスパイク・リーがなにやらこの映画についてまくし立ててたのも印象的。

監督、『メリーに首ったけ』とか『愛しのローズマリー』のピーター・ファレリーなんですね。面白いけど、ちょっと下品な作品の印象があっただけにちょっと意外でした。

イタリア系用心棒のトニー・バレロンガ。”バレロンガ”って名前がとっても発音しづらいらしく、いつも名前を間違ええられている。

そんなトニーは失職中。

紹介された仕事が黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーの用心棒。なんとなくいけ好かない雰囲気をシャーリーに感じトニーは最初は仕事を断るものの、後に条件が良くなったこともあって結局は引き受けることに。

けれど、黒人と共に南部を旅することがいかに困難なことか。トニーは薄々わかっていたものの、想像以上にトラブルが二人を待ち受けていて…。

ってお話。

物語のトーンは全体的に明るいんだけれども、やっぱり差別的なシーンは心に刺さるものがある。

だいたいさぁ。招待しといて、ディナーもさせず、控え室は物置きとか、理不尽にもほどがあるよ。そんな扱いするんだったら招待しなきゃいいじゃん! とか一時が万事、差別シーンには怒りが沸いてくる。

けれど、こんなにわかりやすい差別じゃなくても、やっぱり差別は世界中にあって、もちろん日本にもたくさんたくさん差別がある。そして残念ながらなくなるどころか、手を変え品を変え、差別は続いてるんだもんなぁ。

そんな事が当たり前の世の中なのに、最初は差別当たり前だったトニーが徐々にシャーリーと触れ合うことによって。差別意識が消えていく心地よさ。

トニーとシャーリーの交流、徐々にお互い打ち解けていく過程がこの映画の一番の見所。最初はギスギスしていた二人が最後のほうには…。

シャーリー役のマハーシャラ・アリ。気品があって凛としている天才ピアニストを当たり前に演じている。ピアノ演奏のシーンなんてどうやって撮っているのか、本当に天才ピアニストそのもの。

トニー役のヴィゴ・モーテンセン。彼ももうイタリア系マフィアにしか見えない。ホットドッグの食べ方、ケンタッキーフライドチキンを食べ方、ピザの食べ方も役にぴったりな食べ方で。

役者って凄いですよね。

キーアイテムは翡翠と手紙。劇中で実に効果的に使われます。
二人が仲良くなる象徴でもあります。こういう演出、良いですねー。

ラストの方、これまでツアーではどことなくつまらなそうにピアノを弾いていたシャーリーが、心の底から楽しそうに演奏するシーン。

素晴らしくって、かっこよくて、なんか泣けてきました。

映画の終り方も素敵で。良い映画観ました。大好きな作品になりました!
わだげんた

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