大好きな作品です。
まずは、役作りなのはわかっているけど、ヴィゴモーテンセンの変わりようにびっくり。しかもなんか作中でもどんどん肥えていく。
人種差別という重い問題を題材にしているにも関わらず、終始どこか可笑しく温かな雰囲気なのは、あまりに対照的な2人のやりとりに笑えてしまうからだと思う。
最初はお互いを軽蔑し合っていた2人が、旅をする過程で少しずつ理解し、尊敬し合っていく流れが本当に素晴らしかった。
ところどころ噴き出してしまうシーンがある一方、人種差別問題の根深さ、恐ろしさ、理不尽さにゾッとするシーンも多々あり、ロードムービーとしても、問題提起する映画としても、とても完成度の高い作品だと思う。
最後は人種差別からどう生き抜くか、ということよりも、人生をより豊かに生きていくためにはどうしたらいいのか、その答えが示されている。
「寂しいときは自分から先に手を打たなきゃ」
誰かに頼ること、誰かを信じること・愛することは、時にとても勇気がいる。でも一歩踏み出してみると、今まで見られなかった世界を目にすることができるかもしれない。