Rei

グリーンブックのReiのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.7
一見人種差別がテーマであると思わせがちだが、ただの背景でしかない。
重たくならない範疇で小気味良く問題をクリアする様はエンターテイメントとして楽しめる。

トニーの「世の中は複雑なんだよ」のセリフが沁みる。
大人はみんな孤独で、友情を育むのも子供みたいに簡単じゃない。
素直になれないし、社会的な要素も付きまとう。
初めは仕事として必要だった二人が、互いにその存在こそが必要なんだと確信していくシーン。
黒人でも、もちろん白人でもない、家族もない孤独な名プレーヤー
クールな男が「一緒にいて」って素直に言えなくて 雇い主として引き留めるのを、包み込むような「大丈夫、断るつもりだから」
もう切なくて涙が止まらなかった。

絶妙に絡む音楽とグルメ
教養と嗜みもあるセレブ相手の素晴らしい演奏家(もちろんケンチキもナイフフォークで 笑)なのに、塩でしか味付けを知らないアメリカ人、
片や、ガサツでケンカっぱやい“不良”なのに、豊かな伝統家庭料理のおかげで塩味と旨味も感じられるイタリア人の面白いギャップ。

貧富の差、肌の色だけじゃない
ほんとに人って“複雑”なんだよ
だから刺激的で惹かれ合うのさ
認め合えたら豊かな人生になるからね。
Rei

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