エコちゃん

グリーンブックのエコちゃんのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
良きでした!とってもとっても良きでした!!なにがって、ストーリーが!?
まず、実話をもとにしてるから一からストーリーを考えださはったわけではないけど、この話をもとに作っていったストーリーの構成と演出が素晴らしくよかった!
まず、トニーの人物像がわかるようにトニー主観で物語がはじまる。そして、ドクターと出会う。運転手に選ばれたトニーは、黒人嫌いやけど、お金のために承諾してツアーのドライバー兼ボディーガードになる。ここから始まる2人の友情物語ってゆう構図が、分かりやすくて好き。
構図が分かりやすいからって中身は薄っぺらくない。
南下するごとに、黒人差別がひどくなっていく中で自分自身のプライドと戦うドクター。ドクターを見た目や偏見で判断していたトニーが、そんなドクターの姿を見てドクターへ向ける態度や気持ちが変わってくるのに、南下するにつれて自分以外の周りの人間の態度が、過去の自分よりもひどくなり、もどかしく思ってくるトニー。ドクターもトニーと関わることで、1人ではなく人に頼る支え合う弱いところを見せるってゆうことに慣れてきて心を開いてくる。
こういう2人の心理描写が分かりやすくて描かれていて、めっちゃいい。感情移入しやすい。
上記の内容を文字にすると、めっちゃ分かりやすく書かれてるんちゃう?って思うけど、そんなことはなくて細かく段階的に演出してはるから、どんどんどんどん引き込まれていく感覚。
あと、監督兼脚本のピーターファレリーは今まで過去にコメディ性の強い映画を作ってる人。やからかは分からへんけど、コメディ要素もあって、その要素があるから、黒人差別ってゆう題材を重たくなりすぎひん雰囲気にもっていってて上手いなって思った。そういう細工をしてることで、特定の人だけじゃなくて、いろんな人が見やすい映画になってると思う。
私はこの映画を見て、黒人やから、とか白人やからってゆう差別は良くない。ってゆう一般的な感想ももったけど、そういう感想よりも、もう一段階深い感想、感覚をもった。差別は良くないとは思うけど、実際は周りがしているという理由や、今までの環境でという理由で差別は起こる。それは黒人やから、とかユダヤ人やから、とか分かりやすいもの以外でもあることやと思う。そういう状況を打破するのは難しい。打破するんじゃなく、どう上手に乗り越えるかを探すことが大事やなと思った。ドクターは、環境を打破できたわけじゃないけど、自分を受け入れる受け入れてくれそうな人が誰かを自分で見極めて、なおかつ勇気を出して寄り添っていったからこそ、最後トニーとの縁が切れずに最後まで一緒に居れたんやと思った。
やから、自分も周りではなく今自分が置かれてる状況で何をするのか、なにを選ぶのかを判断する必要がある。あと、判断が瞬時にできるように自分自身を知る必要がある。そういう風に物事を考えれたら素敵やなってこの映画をみて、再度思えた。やから素敵な映画やった。めっちゃ楽しかった。楽しいけど奥深い自分に影響力があった映画でした