ゆう

グリーンブックのゆうのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.2
トニーは最初、黒人の使ったグラスを捨てるくらい差別的だった。しかもしょっぱなからアイロンがけやスケジュール管理も要望されたもんだから、「お高くとまりやがって」「でも仕事だし」みたいな雰囲気で旅が始まる。前を見ろとかズルして手に入れた石についてつつかれたり、彼にとってドクは口うるさいボスでしかない。でもドクの演奏に聴き入って才能を認めたこと、差別を目の当たりにした数々の出来事、ドクの強さ弱さに触れていくこと‥
時間が経つにつれドクへの偏見は薄れ、尊敬の念さえ抱き、守るべきパートナーになっていく。

ドクは、品位を保って、耐えて、人権を静かに主張することで差別と戦ってきた。
だけれど、白人の中に身を置く機会が多い彼は差別の風を受ける機会も多いし、一方貧しい黒人からは、一線を引いて見られてしまう。孤独を強めながらここまで登りつめてきたことが、“ひとりで城に住んでる、自分は黒人の外れだ”という場面から痛いほど伝わって苦しかった。そんなドクは、自分のためにカッとなって手を出してしまったり、“笑うときも食べるときも全力で!”なんて説いてくる、乱暴だけどもある意味素直でバカ正直なトニーに助けられ、徐々に信頼し支えとしていく。


お互いを補い合って、影響を与え合って、だんだんと関係性が変化していくのがとってもいいなぁ
“寂しいなら先手を打って連絡をとれ”というトニーのセリフが、伏線となって最後回収されるところは胸が熱くなった。


黒人差別や性的マイノリティを描きながら、
フライドチキンのくだりとか
手紙のくだりとか
クスクス笑える場面ほっこりする場面が多いのもよい◎


あとは音楽がすごく好きだった。
軽快で陽気で、飽きない◎



見れてよかったな
ここ数年で一番好き!
ゆう

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