オクムラ

グリーンブックのオクムラのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.3
良い音楽とロードムービー。

貧しくも幸せなイタリア系のトニーと高潔紳士で裕福だが差別を受けるアフリカ系のドクの話。

要は人種差別と友情。よくある話ではあるけれど、実話を元にしていで面白かったです。
60年代のアメリカ南部の慣習で黒人にはトイレ使用を許さなかったり、食事の提供を断ったり、ホテルに宿泊できなかったり…。露骨な差別がある。
実際トニーも冒頭で黒人の業者が飲んだグラスをゴミ箱へ。根強いカーストがあった時代に富と名声はあるけれど、差別はまた別問題という矛盾が二人の距離を縮めていった良い映画でした。
奴隷解放から約100年後?だと思うんですが、それでも当時差別が強く残っているし、現在でもそれは少なからず残っている。島国日本ではあまり意識しない部分を突いています。グリーンブックというタイトルにもある黒人旅行者の為のリストがそもそも何だかなぁと思ってしまう。
ドクは白でも黒でもないと言っていた。
黒人文化にも馴染めず、かと言って白人でもなく中途半端で、一番居場所がない。
そんな特殊な彼をトニーの無礼さが変えていく様はすごく良かった。


そう言った差別問題抜きにしても、おっさん達の友情には熱いものがあります!