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グリーンブックのyoukiのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.4
この作品は、ヴィゴ・モーテンセン主演の実話を基にした伝記映画。
黒人に差別意識を持つ男が、黒人ピアニストの運転手として共に南部へ2ヶ月間演奏旅行に出る話。
翌年のアカデミー賞では作品賞を含む3部門を獲得。
「グリーンブック」とは、アメリカで人種差別があった時代に黒人用に作られた旅行ガイドブックのこと。主人公の男は、旅行に出かける初日にこれを渡された。このことからわかるが、この作品は当時至る所で行われていた人種差別の描写が沢山あり、そこに焦点を当てている映画である。


黒人お断りのレストランに黒人ピアニストのドンがしつこく抗議するシーンなど、その当時の差別の酷さが伝える場面が沢山あり、どれも興味深いものでした。この分野の話は全く詳しく無い自分のような人なら、勉強にもなると思います。

黒人に差別意識を持つ主人公トニーは、初めの方はこの仕事を嫌っていましたが、フライドチキンすら食べた事のないドンと話をしたり彼の演奏を聴いたりすることによって、次第に彼を心からリスペクトするようになります。そして最終的には、「ニガー」(黒人を指す差別用語)という言葉に苛立ちを感じるまでになり、初めの差別意識は消えています。
その経緯も2時間の中でしっかりと描けていて、登場人物の行動の動機などが謎な場面も特にありませんでした。演技は、皆さん完璧です。

ただ、コンセプトを見て分かるように決してこの映画は面白いものではありません。観客のウケ・人気よりもアカデミー賞作品賞を狙いにいっている作品です。なので子供が見てもちっとも面白いと感じないでしょう。
その辺りをしっかり理解した上で観ないと、恐らく満足は出来ないでしょう。自分のように…

結論、観客向け<評論家向け
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