kingyohime

グリーンブックのkingyohimeのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

お話の舞台は1960年代のニューヨーク。
イタリア人のトニーは用心棒として雇われていたバーがつぶれて失業中。
そんな折、運転手の職を知人から紹介される。
その仕事は、黒人歌手の男性のコンサートツアーに運転手として同行するというもの。
最初は難色を示し断るも、再度仕事のオファーがあり引き受けるトニー。
そして、秋からクリスマスにかけての長い期間、二人の男性の旅が始まった。
その際、手渡されたのはグリーンブックというもの。
それは、黒人が泊まれるホテルが記されている本だった。
彼らの旅は北部から南部にかけてのもので、旅が進むにつれ、黒人男性に対しての差別的な対応はひどくなっていくー。

最初から主人公のトニーに好感がもてた。
彼は最初は自分の家に来た黒人作業員の使ったコップを捨てたりしている。
だけど、黒人歌手の運転手を引き受けた後から一切、そういう素振りを見せてない。
習慣や認識として黒人は差別するもの、と見做しているけど、彼個人はそういう人間じゃないんだって分かる。
ずっと裏の社会で生きていたから悪い事も平気でするけど、人間的に何をしたらいけないかって分かってる人だし、ユーモアもあり、愛すべき人間だなぁ・・・と思った。

一方、黒人男性の方は、黒人なので白人から差別される存在だけど、インテリだしお金も才能もある。
そういう所から他の黒人の人たちとは違うし、もちろん、白人社会には入れない。
とても孤独な人だ・・・と観ていて思った。

白人のトニーは粗野で教養が無いけれど、生活力と生命力にあふれている。
黒人男性は才能と教養があるけど、融通にきかない所がある。
この映画を観ると、自分とは全く違う人間で、お互いを本当に理解し合えなくても、本質的な人間性が素晴らしかったら仲良くなれるし、心の交流はもてるんだな・・・と思った。

エンドロールを観ると、このお話は実話らしい。
実際の本人たちの写真やその後がエンドロールで紹介されていた。
kingyohime

kingyohime