統べる青

グリーンブックの統べる青のレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.4
実話に基づく映画なのですね。内容の予備知識を入れずに見始めたのですが、1960年代の黒人たちがどのような差別に晒されていたか、というのが分かりやすく描かれている作品でした。誇り高き天才ピアニストでありながら、行く先々でアメリカ南部に根付いた黒人差別に遭うドクターと、運転手兼ツアーマネージャーとして雇われたトニーの交流の物語です。

差別的な行動を起こす人々も、悪気がある人もいれば、悪気が無い人もいる。トニーも最初は、黒人に対して悪意なく、潜在的に差別的な意識を持っていました。直接的な発言や暴力をぶつけるわけでは勿論ないけれど、自分たちとは違う存在であることが染み付いているというか。それが当時のステレオタイプなのかもしれません。遅ればせながら本作を見て、BLMに対する認識もほんの少し深まったような気がします。

公式にアナウンスがありましたが、今後はもう、アカデミー賞はこのようなテーマや人種の多様性を顕す作品しか受賞できないようになっていくのですね。それを差し引いても、心が温まるような素敵な映画だったと思います。
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