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愚なる妻のkazu1961のレビュー・感想・評価

愚なる妻(1921年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「愚なる妻」
Original Title : 「FOOLISH WIVES」
▪️Release Date:1923/02公開
▪️Production Country: アメリカ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-117 再鑑賞
▪️My Review
終始怪しいムードが漂っています。主人公も務めるシュトロハイム、眉間のしわ、細いまゆ、ある意味異様な風貌です。
本作、上流社会の華やかな裏側で躍動するリアリズム、欲と金に執着する没落貴族、人間の愚かさの姿を描いたシニカルな作品です。
異様な風貌と才能を持つ完全主義のシュトロハイムが執拗に人間の内側をえぐり出す、そんな作品です。
そして、素晴らしいのは荘厳なセット、モンテカルロの巨大ホテル、行き交う人々人、夜の光、ホテルの光、舟の光、その全てがあっけに取られます。
監督エリッヒ・フォン・シュトロハイムが、映画の通常の上映時間をはるかに上回るものとして企画した最初の作品です。そしてその異常な長さと異常な内容によって、原形を留めぬほど削除された形で公開された最初の作品が、この「愚かなる妻」なんですね。
予算を無視して巨大セットを作って延々と撮り続けた作品は5時間以上に。ユニバーサルから解雇されたエピソードもあります。
ユニバーサルは34巻を10巻に短縮して公開。本作はそのバージョンです。それでも天才の偉業の片鱗以上のものを観ることができます。
そして、いつもの通り、シュトロハイムは自分で脚本を書き、監督と美術デザインを手掛けるだけでなく、映画の主役を演じています。その怪演が素晴らしい。
物語は。。。
モナコのアモロサ荘に集った3人のロシア貴族。放蕩生活のせいで金欠の彼らは、アメリカ公使から金を巻き上げようとするが。。。
いつもながら100年前でも色褪せない作品はあるもんですね。それから、100年前でも消防車の出動シーンは変わりませんね(笑)

▪️Overview
エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督が「悪魔の合鍵」後、1年あまりの歳月を費やして莫大の費用を要して完成したユニバーサルの大作である。主役、原作者、脚色者、監督者としてシュトロハイムは全精力をこの作品に注いでいる。その他デゥ・ポン、モード・ジョージ、メイ・ブッシュ、マルヴ等が共演している。(参考:映画.com)
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