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ドンバスのkyokoのレビュー・感想・評価

ドンバス(2018年製作の映画)
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2014年以降、親ロシア派勢力とウクライナ軍の武力衝突が絶えないウクライナ東部ドンバス地方を舞台にした、実話に基づく13のエピソード。登場人物がエピソード間を横断することで繋がりを生んでいる。ダークユーモアを込めた劇映画、と称されているけど、ダークすぎて笑えない。かろうじて冒頭のエピソードはコメディと言えるかもだけど、最終的にはとんでもない悲劇に繋がっていた。
同じ国なのに検問所があり、新政府に独立共和国国歌まで……ニュースでたびたび解説されていたので状況は理解していたつもりだったけど、戦争が異常を日常にすり替えてしまうことの怖さまでは想像できていなかったんだなと改めて思う(ていうか侵攻前に観てたら完全に意味不明だったかも)。
捕らわれたウクライナ兵を取り巻くリンチ集団の笑い声は寒気を覚えるほどだったけど、そこからつながる輩大集合の結婚式もすごかった。ある意味ビジュアル的には今作いちばんのインパクト(あの新婚カップルは本当の夫婦だと知ってさらに驚愕している)。

総じてノヴォロシアの異常性と矛盾を突く皮肉に満ちているけれど、彼らの側から見た別の13のエピソードがあるかもしれない。
この複雑怪奇な戦争はどちらにとっても同じ悲劇。
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