ぺん

ドンバスのぺんのレビュー・感想・評価

ドンバス(2018年製作の映画)
4.0
ウクライナ東部ドンバスを舞台にしたドキュメンタリー風風刺映画、でしょうか?
このシーンは何故、どういった意図で撮られているのか分かりづらい部分も多く、ノヴォロシア 、ウクライナ問題を多少調べても理解が難しい…
ただ全編に渡り、制作側が抱く理不尽な暴力性への怒りを感じざるを得ない。

ウクライナ義勇兵がリンチされるシーン以上に、直後の結婚式の大騒ぎが不快でキツかったなぁ🤜💒
同じ人間一人も、立場と場所が変われば暴力と幸せが表裏一体。
幸福そうな結婚式が騒々しくて居た堪れないし、彼らがはしゃいでいるほど、より憎たらしく思えてくる演出だった。
ただウクライナが、ロシアが良い悪いなど断罪するものではなく、暴走する国家そのものが集団ヒステリーにも見えてくる。
まぁファシストって、侮蔑用語として最も便利な言葉になってることがよく分かる。

オープニングとエンディングで描かれるフェイクニュースの作り方。
イメージ戦略の前では人の命もめちゃ軽い。
2018年の作品ですが…エンドロールの斜め上から見下ろす淡々とした長回しは、今の現実に続いて見えて空恐ろしい。
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