ロビン

ザ・ハント ナチスに狙われた男のロビンのレビュー・感想・評価

3.8
1943年の第二次世界大戦中、ドイツ軍占領下のノルウェーであった実話を基に制作された作品。
ドイツ軍から機密情報を盗み出した工作員が、中立国のスウェーデンへと逃れるまでの過酷な道程を描いている。
重厚感があり観ごたえのある秀作。

主人公ヤン役のトマス・グルスタッドの鬼気迫る熱演がとにかく凄い。

多くの人々の命懸けによる生命のタスキリレーのおかげで助かったヤンの生命。
1人の人間の生命の重みをまざまざと観せつけられた。
そしてたった1人の人間を執拗に追い続けるドイツ軍将校の執念には恐怖を覚える。

敵はナチスだけでなく極寒の冬の北欧。
戦争の陰鬱さや過酷さよりも、寒冷地の無慈悲さが伝わってきて、観てるだけで身体が芯まで凍える作品。
そんな極寒の中で足の指は壊疽になるし、低体温で凍死してもおかしくない状況何度もあるし、次から次へと災難&困難の連続。
「ほんとにこれ生還できるのか?今までに何回死んでてもおかしくないけど?もはや彼は不死身なのか?」と思わずにいられない。
そしてニヶ月以上に渡る逃亡生活で体は骨と皮だけ。。。
眠れば殺された11人の仲間のことやナチスに捕まる悪夢にうなされる毎日。
彼の凄い生命力と精神力半端ない。
普通は、自殺してしまう状況だと思う。

一番胸に刺さったセリフはヤンのセリフ。
“俺を助けてくれる人は、誰もが命懸けだ、俺のせいで殺されたかも・・・つらいのはそれを知らないことだ”
ロビン

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