MasaichiYaguchi

いろとりどりの親子のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

いろとりどりの親子(2018年製作の映画)
3.9
世界中で50以上の賞を受賞したベストセラーノンフィクション「FAR FROM THE TREE」を原作にしたドキュメンタリーを観ると、昨今、世間を騒がしている「同性愛カップルは生産性がない」という発言や、障害書雇用に関する不適切表現や水増し問題が、如何に心根の貧しさから来ているのかと感じてしまう。
この作品を観ると、普通とは違うとは、親子とか家族とか、豊かさとか貧しさとかは、どういうことなのかと改めて考えてみたくなる。
この映画に登場する6組の親子は様々で、夫々の子供が親との「違い」を持っていて、それについて親子共々葛藤したり、苦悩の道を歩んでいる。
「普通」という表現が適切かどうか分からないが、特に身体にハンデを持っていない者からすれば、このような「違い」を持っている人に対して、苦労や困難ばかりで、生きていて正直楽しいのだろうかと思いがちだが、本作を観ると、その考えが独りよがりで浅はかなことが分かる。
親を含めて艱難辛苦の末に辿り着いた境地、そこから生まれたコミュニティは〝ユートピア〟のように見える。
この作品によって、真の〝ダイバーシティ〟が日本を含めて、世界に数多く生まれることを願ってしまいます。