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いろとりどりの親子のKUBOのレビュー・感想・評価

いろとりどりの親子(2018年製作の映画)
3.8
11月2本目の試写会は「いろとりどりの親子」。

アンドリュー・ソロモンのベストセラー「Far from the Tree」を原作とするドキュメンタリー映画。

自らゲイであるアンドリュー・ソロモンは、自分の親がゲイである自分を受け入れようと苦悩し努力している姿を見て、親との『違い』がある子どもたちを家族を通じて検証しようとした。

本作に登場するのは6組の親子。自閉症児、ダウン症児、LGBT、低身長症、そして殺人犯。

どの例を取っても1本の映画が出来そうな症例を、敢えて困難は控えめに、ポジティブにまとめて、見やすいドキュメンタリーになっている。

それぞれの『違い』は全く異なってはいるが、マイノリティを個性として胸を張って生きていく彼らには希望が溢れている。

「どんな問題があっても、我が子を他の子と交換したいと願う親はいない」

殺人犯の親子だけが、他の親子と並べて描くことに違和感を感じたが、実はこの親子は原作を読んで感動し彼らからアンドリューに連絡してきたのだと言う。

でもテキサスにまで転居したというのに、顔を晒しちゃって大丈夫だったのかな? ちょっと心配。

「子を持つ親は誰しも、何らかの形で『違い』がある子どもを抱えており、生まれてきた子が、想像していた子とは違っていても、あるいは、違っているからこそ、自分の子どもを愛するという体験を共有する」

障害があっても、いや『違い』があっても親子の愛は変わらない。

もう少し、それぞれ掘り下げてほしかった気もするが、逆に見やすく間口の広いドキュメンタリーとなっている。
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