試写会にて。
6組の親子の姿を描いたドキュメンタリー。
原作はアンドリュー・ソロモン氏がまとめた親とは違う子供たちをまとめたノンフィクションブック「FAR FROM THE TREE」。
この映画では原作者のエピソード、思想を織り交ぜながら、代表例としての親子の姿を描く。
親は子供を自分と同じだと思いがちで、かつ自分の理想を子供に追い求めてしまうことがある。しかし子供はたとえばLGBTであったり障害を持っていたりと、親が「普通」と思っている性質と違う可能性もある。その時に親は子供とどう向きあって行くべきなのかという事をこの映画は描いている。
この映画はポジティブな親子関係が描かれ、暗い面はあまり描かれない。
監督の談話でもあったが、この映画はマイノリティに対して世の中がいかに包括的で多様性をもった世界に人々がしていかなければならないか、という事を訴えかけている。
マイノリティの方達の姿を映し出しながら、先入観、偏見をなくそうとする姿勢がこの映画の素晴らしさだと思う。
親という一番近い存在に愛されるかどうかは子供にとって一番大切な事。
人とは違うアイデンティティをギフトとし、治療ではなく祝福する。
拒絶するのではなく受け止める。
そんな親子の姿を見て、改めてマイノリティを排除しようとするリーダーに疑問を抱く。そんな足がかりになるかもしれない作品だと思う。