すず

いろとりどりの親子のすずのレビュー・感想・評価

いろとりどりの親子(2018年製作の映画)
4.0
健常者として生まれてほしいは当たり前ではない

障害者とその親。同性愛者とその親。殺人者とその親。どの家族とて同じ家族はない。

色んな親子をみて共通するのは母親の後悔。あーしておけば…私が悪いの…自分を責める母親の姿。
そしてそれとは対称的に自分を受け入れる子供。生まれた時から普通ではない。でも自分にとっては普通で、不幸な子だなんて思っていない。周りが勝手に可哀想な子、不幸な子と決めつけてるだけだった。映画に映る彼等は全然不幸なんかじゃない。自分を受け入れ頑張っているし、人生を楽しんでいる。

特に印象的だったのは自閉症の親子。我が子が何を考えているのか全くわからず、疲弊している母親。子供の気持ちを初めて知った時は、私も泣いてしまった。何もわかってなかった。押し付けてばかりだったんだって。どんな子も表現することが苦手だったりするだけでできない訳じゃない。ちゃんと心があることをはっきり知った瞬間だった。

また、低身長症の夫婦を観て「当たり前」って自分の価値観でしかないと思わされた。「健康に生まれてさえくれれば」みんなそう言うでしょ。私だってそう言うし、そう思う。けど、それは障害者に対して偏見なんだって思わされた。障害者にとっては個性であって普通のことで、障害を持った子を授かりたいと思っている人がいる。そんなこと思ってもみなかったので衝撃的で、固定観念を打ち壊された。

自分の知らない見え方を知った。
観て良かったです。
結構泣いちゃいました😢

少し脱線
親が子を愛そうと思って愛してる?
愛さずにはいられないものでしょう
そう語る殺人犯の母親。
本質的に愛してしまうものだと私も思う。
ニュースで子供の虐待や死体遺棄を見るたびどうしてそんなことができるの、といつも思ってしまう。
少数ではあるが愛情が芽生えないことがあるのだろうか?
「愛してあげて」そんな言葉使いたくないよ。
すず

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