片腕マシンボーイ

19歳の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

19歳(2018年製作の映画)
3.3
未だに映画の世界にも男根至上主義が残っているんは先日続々と明らかになった事件をみればわかるように明白な事実なんやが、それでも近年は実力派の若手女性監督がちょいちょい出てきてくれているんですよ
「少女邂逅」の衝撃で瞬く間にマシンボーイを虜にした枝優花監督をはじめ、若手女性監督を牽引する山戸結希監督、昨年メジャー映画デビューし実力を見せつけた松本花奈監督に須藤凛監督、辻凪ちゃんもついに初の単独監督としての長編作品を完成させ今年の年末公開予定らしいしね!ぺろぺろ
そんな中、マシンボーイ的に今その後に続いて欲しい若手監督として特に注目しているんが本作の道本咲希監督ですよ!ぺろぺろぺろぺろ

私、20歳で死ぬ思って勝手に生きてきたからば、将来のことなんてなんも考えてこなかったし、お父さんに半分お金出してもらって買ったカメラで好きな物撮って気楽に残りの時間楽しも〜思っていたんやが……もうすぐで19歳も終わり、私はほんとに20歳で死ぬんやろか?って話

監督自ら主人公を演じた半自伝的ストーリーで、まるでドキュメンタリーのような感覚のある作品
大人と子供との曖昧な頃に誰もが抱える将来への不安や子供時代への心残りのようなものを、道本監督独特の淡い映像と鋭い感性で描き出す良作

偶然に道で会うと話すくらいの友達の鋭い嫌味がオブラート何重にも包まれてんのにグサグサ刺さるし、そもそも大人とか子供とか関係なく、何の予定も入れず朝からビール飲みながらゴロゴロした休みの日の夕方くらいにコレ見たおっさんですら!血反吐はいて悶絶すること請け合い系ぐうたら殺しな危険映画!
ただ道本監督の視点は優しい、嫌味たらしい友人もぐうたらなマシンボーイにも平等に否定する事なく、なんか20歳なっても大人になっても幾つになっても未来は続いていくらしいわぁ……と語りかけてくる、まぁゆっくり進んだら良いよなぁ!(え?マシンボーイってば遠の昔に大人やけどとっくに道本監督に追い抜かれてる?スンスン……知ってらぁ!ぷんすか!)

うん、本作はとても学生時代に撮ったとは思えない素晴らしい作品やったんやが、マシンボーイ的にはちょいキュンやドキが足らんかった感があるからこのスコア、道本監督の今年公開された新作「なっちゃんの家族」は本作同様にビターな要素もありながらエンタメ性にも富んでいてマシンボーイはめちゃ好きやし、フィルマには載ってないけどYouTubeで観れる乃木坂久保ちゃん主演の短編映画みたいなんもキュンが止まらん快作やからばオススメしたいよねぇ、道本監督めちゃオススメ〜ぺろぺろ