現代もの&アート系という意味では、ベトナム映画としてはかなり珍しい部類の作品らしい。内容も相当に「繊細」で、少ーし取り留めが無さ過ぎるかという気がしなくもない(決して悪くは無いのだが)。
ただ、二人の男の間で漂うが如くに揺れ動くアンニュイさも然ることながら、全編に渡って湿り気を帯びて陰鬱で(水&暗いシーンがなんか多い)、それでいて異国情緒溢れる生活感に満ちた雰囲気自体は、個人的には相当面白かった。雰囲気映画としてだけみれば、そこそこと言ってよいクオリティ。言い得て妙な邦題も珍しく褒めてよいセンス。観て損も無いかと。