生酒冷造

アンソニー・ホプキンスのリア王の生酒冷造のレビュー・感想・評価

2.8
イギリスの王、リア王は隠居を宣言。領地を王に嫁いだ長女、次女そして求婚状態の三女に分轄しようとするが、土壇場で三女がリア王の怒りに触れ追い出される。残された二人娘はリア王の面倒を交互にみる約束で領地を貰いうけたのだったが、、。


こちらは、リア王を現代に置き換えた作り。
こういう現代版は「ハムレット」や「英雄の証明」(コリオレイナス)「ロミオとジュリエット」等もあります。
けどこの映画、何故か華が無い。
まあ、リア王をモチーフにした邦画「乱」を見たあとだけに印象を引摺られ、ちょっと不利な点かな。

勿論、リア王演じる俳優の猛々しさや怒り等の迫力は満点です。
ただ、無いモノ強請りですが、貧困まで墜ちた身の上の割りには血色や恰幅いいし、普段と正気を失った時の切り替えが分かりにくかったです。
あと、戦のシーンも爆風などは立派でも、流血も無く挿絵程度の扱い。
平坦な映り変わり。
こういう面は「乱」の方が一枚上手でしたね。
ただ「乱」は登場人物を色々弄って簡潔にしてますが、こちらは間違いなくシェイクスピア独特の腹わたの腐臭を感じるぐらいにウンザリさせてくれます。
シェイクスピアの作品に欠かせない人の負の感性の代弁者。
存在感は映画「タイタス」並みにゲスい。
ただ、、全般的な演出による脚色は、、ま、自分的には過剰に感じました。
生酒冷造

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