みゆ

アウトロー・キング ~スコットランドの英雄~のみゆのレビュー・感想・評価

3.9
2020.05.12(96)
Netflix・字幕


ウィリアム・ウォレス(この人物についてはメル・ギブソンの「ブレイブハート」を見ると分かりやすい)亡き後のバノックバーンの戦い(スコットランドとイングランドの戦い)を描いた実話ベースの物語。主人公はクリス・パイン演じるスコットランド王 ロバート1世(ロバート・ブルース)。

ともすると複雑になりやすい話を、かなり分かりやすく描いている。最初の方でプリンス・オブ・ウェールズ(エドワード2世)とロバート・ブルースが戯れに剣を交えるシークエンスがある。それがクライマックスと上手くリンクしている。ロバートと妻エリザベスのシークエンスでアザミの花が用いられているのも気が利いている。またエドワード1世が亡くなる前に、朝起きて何もない場所でつまずいてしまったと語ることが、後にエドワード1世が亡くなることに繋がっていたりと、展開はすんなり頭に入ってくる。

殺戮シーンはかなり力が入っていて、血の飛び散る場面を細かく演出していた。内臓が出るシーンもきちんと描き、背景にいることで鮮明に映らない人の身体からもちゃんと血を出しているなど、丁寧な出血仕事ぶりが大変良かった。

ちょっと残念だったのはドラマティックさにやや欠けていたことかな。それゆえ物語としてはあっさりまとまってしまったように感じた。
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