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峠 最後のサムライのmotyのネタバレレビュー・内容・結末

峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

司馬遼太郎原作の映画化。原作既読。

映画のテーマは《最後のサムライ》のようだが、どうもそうした映像&演技的感動は伝わってこなかった。

私としては、原作の魅力は、河井継之助が家老上席になるまでにあると思う。映画ではその過程は完全に省略。

あと、彼が亡くなったのは41歳。やはり、役所広司では絵面的に違和感を覚えた。見た目や所作に無鉄砲さやキレが見えないというか。もちろん演技は申し分ない。

個人的な最大の関心は、仲代達矢と役所広司の23年ぶりの“師弟共演”だった。

このシーン、脚本上、グッとくる仕掛けはなく、また画面からも特別な緊張感は感じ取れなかった。なんというか名優同士の普通のシーンとして通過した。ちなみに本作、端役のキャスティングが雑なのも気になった。

企画製作陣が【司馬遼太郎原作を/黒澤組で/ラストサムライ的に描きたい】という狙いはよく分かる(あくまで私の想像)。

が、レビューを見る限り、成功したとは言い難い。《最後のサムライ》という切り口を、映画的に巧く料理できなかったことが敗因ではないか。
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