ノラネコの呑んで観るシネマ

バスターのバラードのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

バスターのバラード(2018年製作の映画)
4.7
Netflix。
コーエン兄弟による6話オムニバス形式の西部劇。
次々と悪漢たちの挑戦を受ける、歌うたいの凄腕ガンマン。
銀行を襲ったものの、ジジイの行員に返り討ちされる若者。
旅回わりの見世物として生きる、四肢の無い青年。
絵の様に美しい谷で、金脈を探す老人。
幌馬車キャラバンの旅の途中で、兄を失ってしまう若い女性。
そして奇妙な駅馬車に乗り合わせた、五人の旅人。
全体が「the ballad of buster scruggs」という本の一編として語られるアンソロジー。
各話の冒頭に話の核心に触れる惹句が提示され、興味をそそる。
どの話も、弱肉強食の西部開拓史の無常を異なるアプローチで描いているのだが、いかにもコーエン兄弟らしいシニカルなテイスト。
短いもので10分強、長くても40分弱なのだけど、外連味たっぷりのビジュアルとトンチが効いたオチに導いていて流石の面白さだ。
キャストもやたら豪華で、第1話のティム・ブレイク・ネルソンからはじまって、ジェームズ・フランコ、リーアム・ニーソン、トム・ウェイツ、ゾーイ・カザン、ブレンダン・グリーソンとほとんど演技派の見本市状態。
特に男臭い時代の物語にあって、ゾーイ・カザンはとても魅力的だ。
凡百のオムニバス映画とは比べ物にならないクオリティで、劇場公開しても十分に楽しめるだろうが、オムニバスはサクサク見られるので、確かに配信向きのスタイルなのかも知れないな。
これに関しては、不思議と配信のみに納得してしまった。