memo

華氏 119のmemoのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
4.3
マイケル・ムーアらしいお茶目な語り口調ではあるが、初っ端から止まらないトランプへの猛批判に大丈夫なのかこれは…とさすがに心配になりながら見ていたら最後には「腐敗した政治・権力・システム」を暴いて視聴者に目を向けさせるというドキュメンタリーになっていた。

ヒラリーが勝つと信じる人たちの熱狂と落胆は映像的には楽しいけど、なんか、アメリカンドリームやアメリカンヒーローに熱狂する姿と重なって見えてちょっと気持ち悪さや居心地の悪さも覚える。その裏側で取りこぼされてるものはないのだろうか、と。そこにマイケル・ムーアがズンズンと足を踏み入れていく。

利権政治で起こった水の汚染問題とそれをなかったことにしようとするトップの対応の異常さ、最低最悪すぎて頭が痛くなった。綺麗な水を奪われて汚れた水しかない人たちの前でやったオバマのパフォーマンスにも絶句。「分断」を煽りまくったトランプ元大統領が生まれる前から、アメリカ政権は貧困と人種の問題を見て見ぬふりしていたし、苦しんでる人たちを放置してきたし、利権まみれで腐敗していたことがわかる。(彼が給水タンクで市長?の家に水をまいて仕返しするんだけど、それがショボくてちょいダサなところもマイケル・ムーアっぽくてこれはこれでいい)

「訓練した者が銃を扱うことにすれば安全だ」と話す大人。「もう献金をもらいませんか?」と政治家に問い詰める若者。銃乱射事件の被害者の同級生によるスピーチの言葉と表情。

「本当のアメリカ」、政治の腐敗、貧困と人種の問題、銃
memo

memo