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華氏 119のYYamadaのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.7
【ドキュメンタリーのススメ】
華氏119 (2018)

◆ドキュメンタリーの種類
製作者の視点でテーマを掘り下げる
「遂行型」
◆描かれるトピックス
トランプ大統領を産んだ
 アメリカ社会の闇

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・2016年の大統領選の最中からトランプ当選の警告を発していたマイケル・ムーア監督は、どんなスキャンダルが起こってもトランプが大統領の座から降りなくてもすむように仕組まれているということを確信し、トランプ大統領を「悪の天才」と称する。
・今作では、トランプ・ファミリー崩壊につながるというネタも暴露しながら、トランプを当選させたアメリカ社会にメスを入れる。

〈見処〉
①「狂気を終わらせる映画」M.ムーアの
 ドキュメンタリー集大成
・『華氏119』(原題:Fahrenheit 11/9)は、2018年に製作されたドキュメンタリー映画。タイトルは、トランプの大統領当選が確定した2016年11月9日に由来し、当時のジョージ・W・ブッシュ政権を痛烈に批判した『華氏911 (Fahrenheit 9/11)』に呼応するものになっている。
・本作は、アメリカの銃社会に風穴を開けた『ボウリング・フォー・コロンバイン』や医療問題を取り上げた『シッコ』など、巨大な権力に対してもアポなし突撃取材を敢行するドキュメンタリー監督のマイケル・ムーアが、アメリカ合衆国第45代大統領ドナルド・トランプを題材としたもの。
・また、トランプに対する批判だけではなく、アメリカの特殊な選挙制度や、ムーアが支持する民主党も批判の対象となっており、イリノイ州フリント市の汚染水問題では、当時のオバマもその対象となっている、マイケル・ムーア監督の集大成的な作品である。

②結び…本作の見処は?
◎: 銃社会、医療問題、派兵、選挙制度…全てが利己的なアメリカ支配者層の既得権に憚れていることがわかる作品。20年以上に及ぶマイケル・ムーアの主張が、未来に向けた一歩に繋がっておらず、政治に対して絶望感を認識出来る、必見作品。
◎: ヒトラーと重ねて描写されるトランプに対して、発言内容が伴わないオバマ大統領の本質的な薄っぺらさを見事に捉えている。グラスに入った汚染水を唇につけるだけのオバマの失望パフォーマンスは、かいわれ大根を貪る菅直人よりカッコ悪い。
▲: トランプ政権とは関係のないエピソードが盛り込まれ、結局は何を主張したいのか散漫な内容になっている感は否めない。
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