ガーコ

華氏 119のガーコのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.5
これから先のアメリカの未来が心配…。
マイケルムーア監督が取り上げたくなる気持ちも分からなくはないかな?

誰もがヒラリー氏が当選して、初の女性大統領になると思っていたから…。
あの時の支持者の落胆ぶりが印象的。

やはり、貧困に苦しむ市民のイライラがトランプ政権の誕生を生んでしまったと思います。
平和よりも経済の発展を心配する市民の心をガシッと掴むディベート力が勝利への身を結んだのでしょう。

でも、トランプ大統領が就任されてからのアメリカは、なんだかドキドキハラハラ。
奇抜で理不尽な暴言の連発に、世間の気持ちは賛否両論。
しかも過去の犯罪行為が暴露されまくり、よくこんな人が大統領になれたものだとビックリ!

そして中盤でトランプ政権の不安な部分や、過激な言動をこれからどう掘り下げていくのかと思っていたら…。
まさかの水質汚染問題。
正直トランプ政権の話から脱線してしまい、どこへ行き着くのかよく分からなくなりましたが、21世紀のアメリカとは思えない事件だと思いました。

フリントという地域で起こった、市民の鉛中毒による病気や死亡。
鉛に苦しむ市民の悲しい訴えは、トランプ大統領に届いているのでしょうか?
あのオバマ大統領でさえ、経済発展を優先し、フリントに住む市民の命を軽視したことは事実です。
経済発展のためなら、どんなことも惜しまないトランプ大統領なら、このフリントの事件も何も改善しないままでしょう…。

このままでは、日本の水俣病のような患者ばかりになってしまうのでは…?

さらに、学校で起こった銃乱射事件の涙の訴えを見ているにもかかわらず、兵器や軍隊の強化に力を注ぐ大統領の姿。
事件や事故が起ころうとも、自分の決めたことは最後までやり抜く姿は独裁者のよう…。
ヒトラーのように、多くの人の支持を受けることで、間違いも正当化できてしまうとしたら、どんどん見切り発車が起こってしまいそうで怖いです。

彼はこれから先どんな未来を描いているのでしょうか?
猪突猛進にどんどん改革を提案することは良いですが、はたして市民にとって本当に幸せとなるのか?

日本じゃ想像もつかないようなデマが沢山飛び交うアメリカ。
だからこそ、市民一人一人が大統領を見極めなくてはいけないのかもしれませんね。

久しぶりに青山シアターで、映画を楽しめました(^^)
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